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バックスキンの少女(ドロシー・ギルマン)

 とても面白かった。
こういった、サバイバル生活、ものすごく好きです。
何もないところから、まず火をおこして、食料を得て、住むところを自力で作って、着るもののために鹿を殺し皮をなめすなど、生きるための技術を学ぶ・・・・。
こういったことに憧れがあるから、手作り生活が好きなのかも知れません。
そういえば、この本の中でも焚き火の灰と水とためておいた脂で石けんを作るシーンが出てきますが、ワクワクしました~。
 ドロシー・ギルマンらしく、文章の感じは軽く、扱っている内容は重いのですが、ユーモアにもあふれ、楽しく読むことができます。
「おばちゃま」シリーズよりも好きだとおもいました。


 以下あらすじ、ネタバレしてます。
これから読む方は見ないでください。
 18世紀アメリカが舞台。
幼いころ、インディアンに襲撃され、両親を失い、二歳上の兄を連れ去られたベッキーは他人の家で労働者としてつらい日々を送っていた。
兄イーセックは町へ戻ってきたが、すっかりインディアンの生活に染まってしまった彼は白人社会にうまく溶け込めない。
 16歳になったベッキーに求婚者が現れるが、その男は50歳にならないというのに妻を4人も亡くしていた。
彼と結婚したら、いつも彼が持っている鞭で虐待されていつかは殺されるのではないか?
ベッキーは兄と二人で町から逃げだす。
逃亡者として追われるものの、イーセックが二人の痕跡を消して何とか追っての目をくらませる。
イーセックはインディアンに受け入れてもらおうと思っていたのだ。
両親を殺害したインディアン達との出会いに不安を感じながらもベッキーは兄に従う。
 そして出会ったモヒカン族の青年ブルーフェザー。
ブルーフェザーの一族に迎えられ、彼らの土地に住むことを許される。
二人は湖の近くの美しい土地で一から暮らし始める。
イーセックは食料を得るため、持ってきたマスケット銃で鹿を殺すが、火薬に限りがあるため、これから以降は自作の弓で獲物を獲ようと言う。
レベッカは鹿の角で矢じりを作ることを学ぶ。
彼らは地面に穴を掘り、そこに若木と土で壁を作り樹皮を差し掛け屋根にし、小さな小屋を作る。
 そこにブルーフェザーとその妻ドーン・オブ・ザ・スカイが手伝いのためにやってくる。
イーセックとブルーフェザーは友情を育てていた。
ベッキーとドーンも言葉は通じないながら惹かれる。
ドーンが縫ったバックスキンのフリンジシャツとズボンは、ベッキーが得たお下がりでない初めての服だった。
 イーセックはベッキーに狩の技術を教える。 ベッキーは優しい目をした鹿を殺すことに踏み切れない。
が、その技術が後になって役に立つのだった。
 ブルーフェザーが白人によって殺害され、頭皮をはがれた。
ボストンの知事がインディアンの頭皮に賞金をかけたからだ。
そのときからイーセックは変わってしまう。
落ち着きがなく常にいらいらしている。
そして、何の前触れもなく失踪してしまう。
ベッキーはモヒカン族の酋長ブラックイーグルに助けを求める。
しかし調査の結果、イーセックは自ら足跡を消したということだった。
自分の家に迎えようというブラックイーグルの誘いを断り、ベッキーは家で兄を待つことにする。
寂しく不安な毎日が続く。
 狩にでた先でベッキーは傷ついた白人オハラを見つけ、意識のない彼を小屋に連れ帰り、看病する。
明るいオハラに引かれるベッキーだが、小屋をフレンチインディアンに襲撃されてから、自分の農場に帰ってしまう。
オハラを送って、モヒカン族の集落まで行ったベッキーは、小屋に帰るときに、ブルーフェザーの子供を出産したばかりのドーンを一緒につれていきたいとブラックイーグルに申し入れる。
(このころには言葉を習い覚えていた)
しかしドーンは元の明るく輝いていた彼女ではなかった。
抜け殻のようになったドーンは自殺してしまう。
ブラックイーグルの悲しみと憎しみのまなざしを感じたベッキーは急いで小屋に帰るのだった。
 オハラに一緒に来ないかと誘われたときに、どうしてついていかなかったのだろうと後悔しながらも、兄の帰りを寂しく待つベッキー。
 オハラの残した聖書を見つけ、オハラの先祖が伯爵だったことを知り、愕然とする。
もとから自分に相応しい人ではなかったのだ・・・。
しかし、そこからむくむくとわきあがってきたのは、自分は野蛮人にはならないという気概だった。
 ベッキーは一人きりで木を倒し、丸太にし、それを組んで丸太小屋を作る。
町を逃げ出して以来ずっと身に着けてきた、男の子のようなズボンをやめ、スカートをはく。
彼女は自分の仕事を誇らしく感じていた。
 そこに現れたのはオハラだった。
彼はイーセックの消息を探すために農場に帰ったのだった。
イーセックはブルーフェザーの敵をとり、自分を養育してくれた部族のもとへ帰ったのだった。
兄が自分を捨てて、もとの部族へ帰ったことをベッキーは驚き悲しむが、最後は受け入れる。
兄は愛するベッキーのために、ずいぶん我慢したのだ、と。
 オハラはベッキーにプロポーズし、ベッキーは彼についていくことを決意する。
しかしオハラの農場までは危険が多かった。
インディアンに見つかり、追っ手につかまりそうになったとき、救ってくれたのはイーセックだった。
ベッキーは兄の姿をみ、馬を止めてくれと叫ぶが、疾走するオハラは耳に入らない。
ベッキーが最後に見たのは乗り手を失ってとぼとぼと歩む兄の馬の姿だった。

私の愛読書の一つ、「大地の子エイラ」シリーズとストーリー的にちょっぴりかぶる。
サバイバル生活を学ぶところや、怪我をした同じ人種の男性と恋に落ちるところなど。
アメリカ・インディアン関連の小説はほかにもいくつか読んでいたが、この本は、私の好きな「学んでいく」という過程が詳しく書かれていた。
どうも私はこの、「学んでいく」過程の表現が好きらしい。
学ぶ対象はいわゆる「お勉強」でなくてもいい。
今ぱっと思い浮かぶ本は、

 ゲド戦記の第一巻。
 千年医師物語の「ペルシアの彼方へ」←これは最近読んでとても面白かった本!
 もちろん「大地の子エイラ」のシリーズ。
 「あしながおじさん」も学校物。ちなみに続編はもっと面白い。

ほかにもいっぱいあるけれども、今思いつくものはこれくらい。
全部面白かったな~。

 
 
 
by machimachi_no1 | 2005-09-29 14:58 | 読書日記